紙袋の魅力についてのお話
ベリービーバッグデザイナーの芦谷です。
今日は私の経験から紙袋の魅力についてお話しいたします。
私が初めて紙袋作りに関わるきっかけとなったのが、1997年にK-twoという美容室の店販袋
(美容業界ではお店で販売される商品を入れる紙袋のことを“店販袋”といいます)のデザインを依頼されたことでした。
オーナーがファッション誌を見ているときに感じたことが、お店をブランド化するツールとして紙袋が使えるんじゃないかということ。
紙袋はリユースされやすいパッケージなので、お客様が紙袋を普段使いしてもらうことによってお店の広告塔となります。
紙袋でブランディングできるのでは、という期待から私に紙袋製作を依頼されました。
私にとって紙袋のデザインは初めての仕事だったため、まずはデザインの元となる資料集めからスタートしました。
当時は今のようにインターネットが普及する前だったので、SNSなどから簡単に情報を収集することができず、若い女性向けの商業施設を歩き回り、街行く人達が持っている紙袋を見て回ることで情報を収集していきました。
そして、東京・大阪のたくさんのお店を見て思い付いた幾つかのアイデアをオーナーに提案し、その中で季節ごとに4種類の紙袋を作る「コレクションする紙袋」というプランが採用されました。
その内容は、私の知り合いのアーティストに作品を提供してもらい、作品を紙袋に印刷し、紙袋というよりアート作品をお客様に楽しんでもらうというアイデアでした。

当時、美容室の来店周期(お客様が来店してから、次回の来店までの期間)が女性客の場合、2ヶ月〜3ヶ月でした。
そこで、少しでも来店周期を短くするために、1ヶ月ごとにデザイン違いの紙袋を配布することにしました。
アート作品が印刷された紙袋は人気となり、収集を目的にいつもより短い来店周期でお店に来てくれるお客様がたくさんいました。
幸いなことに、この企画は好評だったため5年続けることとなりました。
しかし、困ったこともありました。
「コレクションする紙袋」のコンセプトの狙い通りの結果となったわけですが、紙袋をリユースせず、「コレクション」として大事にしまっている人が大半であったことです。
紙袋はお客様にリユースしてもらってこそ「広告塔」となります。使ってもらえなければ、広告としての宣伝効果が半減してしまいます。
そこで、コレクションというテーマから広告塔の効果を重視した紙袋のデザインに変更することにしました。
その後のデザインコンセプトから、1年毎にテーマを決めて、毎年デザインを変えることとなりました。
お店は後に全国展開するようになり、今では東京や大阪、名古屋、福岡などの大きな都市で度々紙袋を目にします。
このように、紙袋は箱などの他のパッケージに比べてリユースに適しています。なにより、持って歩いてもらえることから効果的な広告となります。
その“リユース特性”を活かして、お店や商品のブランディングやイベント告知に利用できることが紙袋の魅力のひとつではないでしょうか。
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