カーネマン理論で考える“記憶に残る紙袋”のつくり方

(画像元:KIGI)
「あ、これ可愛い。」
買い物帰り、友人が手にしていた紙袋を見て、そう思ったことはありませんか?
実はこの「なんとなく素敵」という感覚こそが、脳の「システム1」による即時的・直感的な判断。
ノーベル経済学賞を受賞した心理学者ダニエル・カーネマンの提唱したこの理論は、消費者行動の核心を突いています。
今回は、そんなカーネマン理論をベースにした“売れる紙袋”の提案法を、やさしく解説していきます。
目次
■システム1とシステム2って?
カーネマンによると、私たちの脳は以下の2つのシステムで意思決定を行っています。

(画像元:PR TIMES)
◯システム1:直感的で感情的。瞬間的に「かわいい!」「高そう」「センスいい」と判断する
◯システム2:論理的で慎重。じっくり考えて「この店は信頼できる?」「価格は妥当か?」と吟味する。
買い物の現場では、ほとんどの判断がシステム1でなされると言われています。
特にパッケージや紙袋の印象は一瞬で評価され、ブランドの“第一印象”を決めてしまいます。
■紙袋こそが「ブランドの顔」
だからこそ、紙袋は「顧客のシステム1に刺さるデザイン」である必要があります。

(画像元:DIOR) (画像元:THREE) (画像元:TAMBURINS)
①見た瞬間に“高そう”と感じる用紙や箔押し
②つい持ち歩きたくなるカラーリングと形状
③SNSでシェアしたくなるような写真映え
これらはすべて、直感的な「快」や「誇り」につながる設計。
つまり、システム1で“欲しくなる”紙袋をつくることが、ブランド価値を引き上げる鍵なのです。
■プロスペクト理論で考える「損失回避」の力
さらにカーネマンは、私たちが「得よりも損を避けたがる」心理(損失回避)を指摘しています。
これを紙袋提案に応用すると・・・
◯「この紙袋を選ばなかったら、SNSで話題になるチャンスを逃すかも」
◯「このパッケージじゃ、“普通のブランド”に見えてしまうかも」
そんな「損したくない感情」を刺激する提案が、顧客の心を動かします。
実際、競合他社の成功事例やSNS上のUGC(ユーザー投稿)を提示しながら、「同等の仕掛けがないと、ブランドの印象が埋もれてしまう」といった訴求はとても有効です。
■ベリービー式・提案トーク例

・「この形状と素材は、SNS上でUGC投稿されやすいデータがあります。投稿される確率が2倍以上なので、他社より“話題になる確率”が上がりますよ。」
・「このデザインは“直感で高級に見える色設計”になっています。実際に、初見で“価格帯を高く感じた”という声が集まった実績があります。」など・・・
これはすべて、顧客のシステム1とプロスペクト理論に沿った“脳科学的アプローチ”です。
■紙袋は「記憶の容れ物」
紙袋は、商品そのものではありません。でも、そのブランドの「余韻」と「体験」を記憶にとどめる容れ物です。

カーネマンの理論を味方につけた紙袋は、ただのパッケージを超え、「欲しくなる、話したくなる、もう一度会いたくなる」ブランドの化身になります。
次のご提案には、ぜひ“カーネマン脳”を取り入れてみてください。
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