なぜ“かわいい紙袋”だと、 また買いたくなるのでしょうか?

(画像元:FASHION PRESS)
目次
■リピーターを生む、「紙袋・パッケージ」のちょっとした秘密
こんな経験、ありませんか?
「このお店の紙袋、なんだか捨てられない」「つい、あの紙袋を持って出かけたくなる」「紙袋を見るだけで、お気に入りのお店を思い出す」この「なんとなく好き」という気持ち。
実は、心理学でもちゃんと説明がつく、れっきとした“消費者行動の法則”なんです。
その名も「感情転移(Sensation Transference)」。
この考え方を広めたのは、心理学者でありマーケティングの研究者でもあったルイス・チェスキン博士。
彼の研究によると、商品そのものへの印象は、実は“パッケージや紙袋の見た目”に大きく左右されるのだとか人は、紙袋や箱などの「外見的な印象」で感じた価値や気持ちを、無意識のうちに中身にも“転移”させてしまうのです。
例
- 同じチョコでも、高級感のある紙袋に入っていると「なんだか美味しく感じる」
- かわいい紙袋に入った雑貨は、「わたし、センスいいかも」って思える
- プレゼントでは、中身より“袋のほう”が喜ばれることもある
(画像元:SINNPURETE)
この法則をうまく活かして、実際に成果を出した有名な事例があります。
それが、「マーガリンの売上改善プロジェクト」です。あるメーカーでは、味や中身を一切変えずに、パッケージだけをリニューアル。隅にあった四つ葉のクローバーのマークを目立つ位置に配置し、パッと目を引くシルバーフォイル(銀箔)のパッケージに変更したのです。
その結果、売上はなんと約2倍に!
お客さまの中には「味が美味しくなった」「高級感が出た」と感じた方もいたとか。これはまさに、感情転移の効果そのものですね。
■「紙袋・パッケージ」は、“記憶に残る広告”になる
人の記憶には「最後に体験したこと」が強く残るという「ピークエンドの法則」があります。
つまり、お買い物の最後に手にする「紙袋」は、そのブランドとの体験の“しめくくり”にあたります。
紙袋ひとつで、「ブランドの世界観」、「値段に対する納得感」、「SNSに投稿したくなる気持ち」といった感情にまで影響します。
(画像元:& Premium) (画像元:THREE)
見た目のかわいさの裏には、また買いたくなるような「感情設計」がある。紙袋は、ブランドの“印象を育てる道具”でもあるんですね。次にお買い物したとき、その紙袋を見て「また行きたいな」と感じたらそれは、もう立派な“紙袋マジック”が効いている証かもしれません!
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