カルチュア・エクスペリエンス 様
全国展開するTSUTAYAのフランチャイズ事業や、文具・雑貨の企画開発および販売を手掛けるカルチュア・エクスペリエンス様にインタビューさせていただきました。

- ライフスタイル雑貨
- 紙袋
美味しい料理とワインに魅せられ、食通が足しげく通うフレンチの名店、レストラン ラ フィネス(新橋)。メディアにも多数登場するオーナーシェフの杉本敬三様にインタビューさせていただきました。
店舗名 | レストラン ラ フィネス |
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住所 | 〒105-0004 東京都港区新橋4-9-1 新橋プラザビルB1 地図 |
営業時間 | 18:00~ |
定休日 | 日曜日・月曜日(※臨時営業、または臨時休業となる場合があります) |
最寄り駅 | JR新橋駅 徒歩4分 |
WEBサイト | http://la-fins.com/ |
ショップについて
杉本様には、2012年のレストラン ラ フィネス開店以来、ベリービーで紙袋を製作いただいております。
RED U-35初代グランプリであり、数々のメディアに登場されるほどの有名シェフにお使いいただけて本当にありがたく思っております。杉本シェフといえば、8歳から料理修行を始められ、15歳ですでに全国のフェアやイベントで腕を振るわれていたそうですね。
ええ、高校時代にすでにお店を貸し切って料理のイベントを開催していました。高校を卒業して辻調理師専門学校に進み、その後12年間はフランスで料理を学びました。帰国後の2012年に、“オトディダクト(独学者)”をコンセプトにしたレストラン ラ フィネスを開店して、今に至ります。当店の客単価は平均20万円以上。日本でもかなり値の張るフレンチレストランかと思います。
それはすごいですね!
メニュー設定が功を奏したということですね。どこからその発想が生まれたのでしょうか。
実は飛行機に乗ったときに浮かんだんです。
私は勉強のつもりで、今も年に1回渡仏しています。あるとき、エコノミー席のお客は、降りる時にどうして必ずビジネスやファーストクラスの席を通らされて前の出口から降りるのだろうと疑問を持ったのです。エコノミー席用に後方に出口を作ってもいいのに、なぜそのような動線にしているのか。ひょっとして、エコノミー客にビジネスやファーストのゆったりした座席を見せることが航空会社の目的なのではないかと考えました。ビジネスやファーストクラスなら、機内食もきっと美味しいんだろうな、こんな広い座席でゆったり眠れたら体も楽だろうな…。エコノミーの乗客はそう感じることでしょう。
いつもはエコノミーに乗るけれど、仕事を頑張ったので経済的に余裕があった。そんなとき、たまたま「ビジネスクラスにお得にアップグレードできます」とカウンターで提案されたら、アップグレードしたくなるのではないでしょうか。うちのレストランにも、そんなアップグレードのサービスがあってもいいのではないかと考えました。
そこで、社長さんや会長さんが「今期は業績が良かった」と思う時に食べたくなるようなお料理と特別なワインをペアリングするコースをご用意したところ、皆さん、こぞってこちらのコースを選択してくださるのです。
お客様は、コースの価値に納得して選ばれるわけですね。
パッケージ制作について
ラ フィネス様の紙袋をサンプルとして、ベリービーのお客様にお見せすると、誰もがその高い品質に驚かれます。このような立派な袋を使われる飲食店はまだ少ないんですよ。
そうですね。僕も、他の菓子店やレストランで持たせてもらう安価な紙袋は、再利用せずに捨ててしまうことが多いです。でも、それはSDGsの考え方からは外れます。もう一度使いたくなるような紙袋を作ることが、結局のところ、一番のエコなのではないかと考えました。
例えばデパートで少しでも重たいものを入れるとなると、紙袋を二重にしてくれます。でも、重たいものを入れても絶対に破れないくらい頑丈な紙袋なら1枚で済みますし、それくらい強度があれば、何回も繰り返し使えます。ラ フィネスの紙袋はそうでありたいと思いました。
ベリービーで作った紙袋はデザイン的にも申し分ありませんし、強度もしっかりしているので重たいものを入れても大丈夫!本当に満足しています。
せっかくですので、ラ フィネス様のオリジナル紙袋の特徴やこだわりをご紹介いただけますでしょうか。
まずは持っていて恥ずかしくない、おしゃれなデザインにこだわりました。普通なら宣伝効果を高めたくて、店舗名を外側に大きくプリントしてしまいがちですが、「これはどこかの靴店の袋ですか?」と言われてしまうなら逆効果だと思うんです。そこで、外側にはシックな黒地にお店のロゴだけをあしらいました。お客様がこの袋でデパートやブティックに行かれた時に、他のお客様が「あのロゴ、見たことあるな」と思っていただけたらそれで十分です。
袋の内側はビビッドなオレンジ色を配して、遊び心をプラスしました。お店の情報は、住所とURLを内側の底部分にそっとプリントしてありますので、この紙袋をどなたかのプレゼントに使っていただければ、次の方にお店のことを知っていただくことができます。
また、すぐに壊れたり底が抜けたり、紐が取れたりする袋にはしたくなかったので、重いものを入れる前提で分厚い紙を選び、持ち手部分に金具を入れ、大きなツイストにしてリボンをつけるなどの工夫を凝らしました。こうして出来上がった袋は、本当に頑丈でしっかりしています。
なるほど。そこまで計算してご注文いただいたデザインだったのですね。
お客様が最初に目にする紙袋は、とても大事なんですよ。世界的に有名なブランドの紙袋なら、中身の商品価値はすぐにわかりますが、そうではないお店の商品なら、紙袋がプレゼントの第一印象を決めます。「こんなに素敵な袋に入っているなら、きっと高価なもののはず」という具合に、です。
例えば真空パックした“からすみ”をお客様にそのまま渡すと、それほど価値を感じられないかもしれませんが、同じ“からすみ”を桐箱に入れ、リボンを結び、さらにラ フィネスの紙袋に入れてお渡ししたらどうでしょう。商品の価値は3倍にも5倍にも跳ね上がると思うんです。なぜなら、立派な紙袋に入っているから。紙袋から取り出すと、さらに立派な桐箱に入っているから。「何が入っているんだろう」とワクワクしながら開ける楽しみは、何ものにも代えがたいはずです。つまり、舌で味わう前から脳が「これは絶対に美味しい」と感じてくれる。そのため、商品を包む箱や袋のデザインは非常に重要です。
あとは、僕が一生懸命作った料理、選び抜いたワインを、ペラペラの安い紙袋でお渡ししたくないというのもありますね(笑)。だからこそ、何度もベリービーのショールームに通い、紙やパーツを吟味しました。
ありがとうございます。ここまで紙袋に思い入れを感じてくださると、作り甲斐があります。杉本様の包装に対する強い思いは、一体どこから来ているのでしょうか。
私が12年間滞在していたフランスのプレゼント習慣がベースにあるかもしれません。
日本には、包装にお金をかける文化があまりありませんが、フランスでは本当に包装を大切にしています。例えば、フランスのショコラティエの包装は、缶に箔押しをしているような凝りようです。また、ウェディングのフォトアルバムも本当に美しい装丁で、フランスでは日本の3分の1くらいの金額で作れてしまいます。シルバーやゴールドのフェイクレザーで仕立てたり、エンボス加工を施したりしたうえで、立派な箱に入れて渡されます。
「どんな素晴らしいプレゼントが入っているんだろう!」…。プレゼントを開ける過程はときめきますよね。そういう見せ方が、フランスは本当に上手です。そう思うから、僕は自分の料理を箱の中に入れてお客様にお出しすることもあるんですよ。箱を1つずつ開けていくとお料理が出てくる楽しみや感動っていいじゃないですか。その包装の一番外側にあるものが、紙袋なんです。
ベリービーのご利用について
なるほど。フランスでの経験が、紙袋のデザインにも活かされているのですね。ちなみに、ベリービーのことはどこで知ってくださったのでしょうか。
ベリービーを見つけたのは僕ではなくて、妻なんです。妻は僕の感性や理想を分かってくれているので、彼女にすべて任せたところ、数々のネットショップの中からベリービーさんにたどり着いたようです。
うちのような規模感のお店にとって、意外と大事なのが、どのくらいの小ロットで注文できるかという点です。僕のイメージを再現しようとすると、最低でも1000〜2000袋の注文が必要と言われることもありました。それだと結構なボリュームになり、保管する倉庫が必要になってしまいます。その点、500袋くらいでも注文を受け付けてくれるベリービーさんは心強い存在でした。
私どもベリービーはもともとデザイン会社です。こだわりの紙袋をデザインする中、クライアントさんが店舗内で紙袋を置くスペースに悩まれていることを実感していました。「小ロットでも、どこまでもこだわった紙袋を作れるようにしたい」と思いを掲げて営業していたので、ベリービーを見つけていただけて嬉しく思います。
もしベリービーに何かご要望があればお聞かせください。
そうですね。僕は今後、紙袋に求められるものは二極化するのではないかと思っています。「どこまでかっこいいものを作れるか」と「どこまで安い袋を作れるか」。ベリービーには、もっと高価なカスタマイズのメニューがあってもいいのではないでしょうか。他のお店と違うものを作りたいという人は、これからもっともっと増えると思いますから。
もし、価格が上がってもカスタマイズしたいという人がいれば、特別なリボンやキーホルダーのようなチャームなど、細かいパーツまでこだわって、「どこまでお金をかければ、クオリティの高い理想の袋が作れるのか」を追求してほしいですね。紙袋1枚に3000円、5000円かけても、それがブランド価値として回収できるのであれば、それもありなのかなと思います。
今後の事業展開について
たしかに、そこまでカスタマイズできるのであれば、もはや「紙袋」という概念よりも、「サブバッグ」に近い存在として、使い捨てではない紙袋の可能性を考えることもできそうですね。
ご提案ありがとうございます。最後に、杉本様のこれから先の展望を教えていただけますか?
実は現在、この店は私1人が料理もワインも店舗業務もひとりで行っております。固定費を省いた分、お客様にはとびきりの食材を使った美味しいお料理と、素晴らしいワインで還元したいなと思っています。
お客様には10年後も20年後も「ラ フィネスに行けば間違いないよね」と思っていただけるようなお店にしたい。ずっとお客様の喜ぶ顔のために頑張っていきたいと思います。
杉本様のお店づくりのこだわりをお聞きし、ショッパーを担当する我々も身が引き締まる思いです。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。